修理事例

オメガ裏蓋シースルー作製事例

OMEGA(オメガ)社製のスピードマスター・コーアクシャル・クロノグラフに、シースルー裏蓋の製造と分解掃除を行いました。

このモデルは、裏蓋とムーブメントの間に耐磁板が装備されており、耐磁性能を高める設計となっています。耐磁板はムーブメントを支える中枠に取り付けられ、裏蓋と接触することでムーブメントを保持する仕組みです。そのため、耐磁板を取り外さないとムーブメントを鑑賞することはできませんが、取り外すとムーブメントが不安定になるという課題があります。

今回のケースでは、耐磁板の代わりにスペーサーを作製し、ムーブメントがガタつかないようにしっかりと固定しました。さらに、裏蓋の形状や美観を損なわないよう慎重に設計を行いました。

弊社では、現品を正確に採寸し、ムーブメントとの干渉や機能に影響がないように図面を作成してから製作に入ります。オリジナルのフォルムをできるだけ保持しつつ、ムーブメントが見やすいようにシースルー部を広く設計しています。また、シースルー裏蓋作製後も元の状態と同等の防水性を確保するため、最大20気圧までの防水性能を維持できるよう設計・製作しています(アンティーク品や特殊形状を除く)。

使用するガラスはサファイアガラスで、テフロンガスケットを用いて取り付けます。これにより、高級時計修理や輸入時計修理のニーズにも対応し、美観と機能性を兼ね備えた仕上がりを実現しています。

修理費用 92,000円(税別)

作業内訳:分解掃除(オーバーホール)+ シースルー裏蓋作製

※裏蓋の形状、シースルー部分の面積によりオリジナルと同形状で作製することができない場合もございます。作製にあたり、時計修理技術者と設計作製者双方の意見を踏まえ最適な形状でご提案しておりますが、ご希望がございましたらお見積りにてご相談くださいませ。
※修理を終えた商品は、クッション性の高い専用の送付キット(オーバーホールされたお客様対象)に納め、修理内容を記載した書面と共にご返却いたします。

※機械式時計は定期的なメンテナンスが重要です。4~5年に一度はオーバーホールを実施しましょう!

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