修理事例

PATEK PHILIPPE 修理事例紹介

PATEK PHILIPPE(パテック・フィリップ)社のアニュアルカレンダー、Cal. 324 S QA LU 24H/303の分解掃除(オーバーホール)とケースブレスの仕上げをご紹介します。

修理内容

経年により内部のオイルが減少し、振り角の低下が見られましたので分解掃除(オーバーホール)を実施。また、ケースには打痕や傷が見られたため、外装研磨で傷を除去いたしました。

Cal. 324 S QA LU 24H/303はベースとなるCal.324の上にアニュアルカレンダーモジュールが搭載される構成となっております。アニュアルカレンダーモジュールはおよそ15個の歯車と6個のフィンガーで駆動され、それらの部品が正確な位置に組み込まれることで、正確なカレンダー表示を実現します。

分解掃除と組み立てのポイント

パテックフィリップのカレンダー機構は、24時に日付および曜日を送る際、独特の動作をします。日付ディスクが規制スプリング(デイトジャンパー)から外れ、スムーズに動く構造が特徴です。このため、各部品に抵抗がないように設計されており、オーバーホールの際は一つ一つの部品が正確に組み込まれているか、部品に不良がないかを慎重に確認します。

左)月の大小を判別するロッキングアーム内蔵の日送り車、右)デイ(曜日)ディスクジャンパー

駆動する部品はもちろん、その部品が入るポスト、底面、スプリング類の接触面も丁寧に仕上げられています。細かな部品の面取りも行われており、パテックフィリップの品質に対する拘りが伺えます。

左)デイト(日付)ディスクジャンパー、右)分解した様子

ケースブレスの仕上げ

外装の仕上げはオリジナルの美しい曲線を損なわないように丁寧に磨かれます。
外装を研磨する際、傷だけを消そうとすると面やエッジがダレて歪みが出てしまいます。ネクストステージでは、熟練した時計研磨師(ポリッシャー)が、形状や傷の状態を観察し、オリジナルの形状を損なわぬよう丁寧に研磨いたします。

分解掃除及びケース研磨後、ケーシングされた時計は防水検査を経てアニュアルカレンダー動作に異常がないか入念にランニングテストを行い、全ての検査を合格した後、お客様のもとへ納品されます。

修理費用 71,000円(税別)

作業内訳:分解洗浄(オーバーホール)+ 外装研磨

※修理を終えた商品は、クッション性の高い専用の送付キット(オーバーホールされたお客様対象)に納め、修理内容を記載した書面と共にご返却いたします。
※機械式時計は定期的なメンテナンスが重要です。4~5年に一度はオーバーホールを実施しましょう!

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